札幌高等裁判所 平成9年(行コ)8号 判決 1998年3月13日
札幌市東区北丘珠四条二丁目一一番一五号
控訴人
藤田秀雄
右訴訟代理人弁護士
高崎暢
同
浅井俊雄
札幌市北区北三一条西七丁目三番一号
被控訴人
札幌北税務署長 大下光雄
右指定代理人
土田昭彦
同
林俊豪
同
里見博之
同
大場烈
同
坂下晃庸
同
沢田和宏
同
房田達也
主文
一 原判決を取り消す。
二 本件を札幌地方裁判所に差し戻す。
事実及び理由
一 控訴人は、主文同旨の判決を求め、別紙のとおり「控訴の理由」を述べた。
被控訴人は、右控訴の趣旨及び控訴の理由は争わない旨答弁した。
二 そこで、調査、判断するに、原判決の基本たる口頭弁論に関与した裁判官は、裁判長裁判官小林正、裁判官福島政幸、同堂薗幹一郎であることが、記録上明らかである。しかるに、原判決書には、判決をした裁判官として、裁判長裁判官小林正、裁判官福島政幸の各署名押印並びに裁判官伊藤聡は転勤のため署名押印できない旨の記載及び裁判長裁判官小林正の署名押印がなされていることが明らかである。そうすると、原判決は、民事訴訟法二四九条一項に違反し、判決の基本たる口頭弁論に関与しない裁判官によってなされたものと認めるほかないから、同法三〇六条に該当するものとして、その余の点について判断するまでもなく取消しを免れない。
よって、原判決を取り消し、本件を原審裁判所である札幌地方裁判所に差し戻すこととして、主文のとおり判決する。
(口頭弁論終結の日平成一〇年二月一三日)
(裁判長裁判官 竹原俊一 裁判官 竹江禎子 裁判官 滝樫雄次)
(別紙)
控訴の趣旨
一、原判決を取り消す。
二、本件を札幌地方裁判所に差し戻す。
控訴の理由
一、判決書に署名捺印するのは、最終の口頭弁論に関与した裁判官である(民訴法第二四九条第一項)ところ、本件では原判決に右の違背がある。よって同法第三〇六条により、原判決は取り消されるべきである。
二、原判決は訴却下の判決であるから、同法第三〇七条により、本件は第一審裁判所に差し戻されるべきである。
以上